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毛がにの旬はいつ?北海道の漁期と美味しい選び方

「毛ガニの旬はいつ?」「どうやって選べばいいの?」こんな疑問を持つ方は多いのではないでしょうか。北海道ではほぼ一年中どこかの地域で水揚げがあり、一見単純に思えるこの質問はなかなか奥が深いものなのです。今回は、

  • 「毛ガニ」の旬を知りたい
  • 「美味しい毛ガニ」の選び方が分からない
  • 「今」何を選べばいいのか参考にしたい

という方のために、水産業界のプロが「毛ガニの旬」と「確実に美味しい毛ガニを選ぶポイント」を詳しく解説します。

PROFILE
執筆者
ぎょれん販売株式会社 直販部部長
山田 健太
KENTA YAMADA
1977年生まれ。北海道根室市出身。2000年ぎょれん販売(株)入社から現在まで20年以上、通販業務を担当。趣味はキャンプ。
保有資格
食生活アドバイザー2級 / 中級食品表示診断士

毛ガニとは?基本情報と種類

毛ガニは、全身が短い毛で覆われた丸っぽい見た目が特徴の、北海道を代表するカニです。十脚目クリガニ科に分類され、日本海側は島根県以北、太平洋側は茨城県以北に広く分布していますが、国内漁獲量の大半を北海道が占めています。

 成長段階によって味が違う

毛ガニには「堅蟹(かたがに)」と「若蟹(わかがに)」の2種類があります。これは種類というより成長段階の違いです。

堅蟹は脱皮から時間が経ったカニ、若蟹は脱皮直後のカニを指します。

味や食感に大きな違いがあるため、後ほど詳しく説明します。

毛ガニの漁期は地域によって異なる

カニは冬というイメージが強いですが、北海道ではほぼ一年中どこかで毛ガニの水揚げがあります。

[代表的な産地/水揚げのある時期]

  • オホーツク/2~7月
  • 日高/12~3月
  • 噴火湾/6~8月
  • 道東/8~5月

しかし「水揚げがある=旬」というわけではありません。その点をもう少し掘り下げていきます。

毛ガニ水揚げ最盛期は春!

北海道における「毛ガニの水揚げ最盛期」「春頃:3月から4月」です。この時期に年間の70%以上が水揚げされます。下記の表をご覧ください。

この時期の水揚げはオホーツク沖(宗谷とオホーツク)が中心です。

※出典:令和5年 北海道水産現勢から集計
※資源保護のために、漁獲量は年ごとに決められています。そのため期間は若干前後することがあります。

春から年末年始の準備が始まる

毎年、水産関係者はオホーツクの春に注目しています。なぜなら、その年に仕入れをする相場がこの時期に形成されるからです。

カニの需要期はなんと言っても12月。年末年始に売るため、産地では「浜ゆで」の冷凍加工が盛んに行われます。私たちにとっても、1年分を仕入れする時期です。

※出典:令和5年 北海道水産現勢から集計

重要なのは「堅蟹」であるか

重要なことなので再度お伝えしますが、「水揚げがある=旬」というわけではありません。水揚げされる毛ガニがすべて良品というわけではないからです。毛ガニ(オス)の多くは年1回脱皮します。脱皮後は身が少なく、4~6ヶ月かけて身が回復し、食べごろとなります。

「堅蟹(かたがに)」という言葉をご存知ですか?これは甲羅が硬化し、身がしっかりと入っているカニを指します。反対に、甲羅がまだ柔らかく身の少ないカニは「若蟹(わかがに)」と呼ばれています。

「若蟹」の中でも、身入りが7~8割程度になってくると「若上蟹(わかじょうがに)」と呼ばれます。甘味が強くて、比較的安価なことからカニ好きにも人気があります。

しかし、最高の味・身入りを求めるなら「堅蟹」一択です。ここぞというときは「堅蟹」を選びましょう

宗谷・オホーツクの「堅蟹」はいつ獲れるのか?

今回最もお伝えしたいこと、それは「宗谷とオホーツク」で獲れる3~4月の「毛ガニ」は堅蟹が中心という情報です。このポイントを押さえておけば、ハズレはまずありません。

もちろん、他の地域でも身入りの良い・美味しい毛ガニが水揚げされます。しかし、水揚げ量・確実性などを考慮すると「オホーツクの春」は絶対に覚えていただきたい情報です。

豆知識 「メスの毛ガニが北海道で見られない理由」

「なぜ北海道で毛ガニのメスを見かけないの?」と疑問に思ったことはありませんか?実は、北海道海面漁業調整規則によって、毛ガニはメス全部と甲長8cm未満のオスは漁獲・所持・販売が禁止されているのです。

これは資源保護のための重要な取り組みです。毛ガニのメスは3年に一度しか脱皮せず、なかなか大きくならないため商品価値が低いという側面もありますが、主な理由は持続可能な漁業のための資源管理です。

販売されている毛ガニの種類

毛ガニは主に3種類の形態で販売されています。それぞれの特徴を見てみましょう。

活蟹(かつがに)

生きたまま販売される毛ガニです。茹で方の技術によって味が左右されるため、自分で調理する自信がある方向けです。最も鮮度が良い状態で味わえますが、取り扱いが難しく、日持ちもしません。

ボイル未冷凍(チルド)

メーカーで茹でられた後、冷凍せずに販売される毛ガニです。プロが茹でているので失敗が少なく、最高の風味を楽しめます。しかし、鮮度が落ちるのも早いため、なるべく早く食べる必要があります。また、漁獲量が少ない時期は値段も高騰し、日付指定での入手が難しい場合が多いです。

ボイル冷凍

漁港や市場で茹でた後、急速凍結された毛ガニです。最も流通量が多く、年間を通して入手しやすいのが特徴です。身入りの良い時期に水揚げされた良質な毛ガニであれば、安定した品質を楽しめます。

最需要期は「ボイル冷凍」が主役

冷凍品がメインと聞いて、驚かれるかもしれません。もちろん、茹であげ直後の毛ガニは最高の味。できれば、未冷凍のまま食べたいものです。しかし、冷凍が中心となるのには3つの理由があります。

理由1: 冷凍技術の向上

昔と比べると、冷凍技術は格段に向上しています。身入りのよい「浜ゆで毛ガニ」を急速凍結することで、いつでも旬の味を楽しめるようになりました。

理由2: 天候や水揚げに左右されない

毎日の水揚げが保証されている訳ではないので、漁獲量が少なければ、価格も高騰しがちです。冷凍であれば、安定した価格でお買い求めいただけます。

理由3 :最需要期に対応するため

12月に水揚げのある地域は日高・十勝・釧路。しかし、年末年始に向けた需要は圧倒的なボリュームです。この時期に水揚げされている量だけでは足りません。

失敗しない毛ガニの選び方

「毛ガニ」を選ぶ際に確認しておきたいポイントを紹介します。

見た目で選ぶ場合

表面の毛が茶色っぽく、汚れているカニを選びましょう。脱皮をしてから回復まで時間が必要なため、きれいなカニより身入り良好な場合が多いです。

触って選ぶ場合

甲羅の上を軽く押してみます(場所はイラストを参照)。

堅蟹であれば殻に弾力があり、ほとんどヘコみません。若蟹はペコペコとヘコみます(強く押すと殻が割れるので注意!)。また、重さを確認するのも有効。大きさの割に軽ければ、身入りの悪いカニです。

見ることができない場合

売り場で見られない場合は単刀直入に「堅蟹ですか?」と聞いてください。一緒に「産地はどこ?」と聞くのもよいでしょう。このくらいの質問に回答できないお店であれば、購入は控えたほうが良さそうです。

これは通信販売で購入するときも同様です。

確実に手に入れるなら

カニは高級品のため、食べるのは誕生日やお正月など、特別な日の食卓が多いでしょう。用意をするなら、確実に入手したいはず。まず、確実性では「ボイル冷凍」を選びます。さらに品質面で「堅蟹」であるか確認するのが賢い選択です。

実際に、お客様と話したエピソード

未冷凍の毛ガニを購入されたお客様に「いつ食べる予定ですか?」とお聞きすると、「年末のために冷凍しておきます」とのこと。

その時、私はこう答えました。「お客様、今すぐ食べるなら未冷凍の毛ガニは本当に美味しいです。しかし、鮮度落ちの早いナマモノ。さらに家庭の冷凍庫では緩慢凍結になります。食べるのがまだ先なら、浜ゆでを急速凍結した冷凍品をオススメします」

お客様は納得され、「次からは冷凍を買います」と言ってくださいました。このように、食べる時期が決まっているのであれば、メーカーでボイル加工・急速凍結した毛ガニが確実な選択となります。

北海道にはこんな蟹もあります

毛ガニが手に入らない場合や、別のカニも試してみたい方のために、北海道で水揚げされる主なカニをご紹介します。

ずわいがに

特徴:身が繊細で甘く、トゲも少ないので食べやすい
主な漁期:1~6月

たらばがに

特徴:もっとも大型で身がたっぷり
主な漁期:1~6月、8~9月

花咲がに

特徴:味が濃厚。道東でのみ獲れる。漁期が短い。
主な漁期:6~8月

まとめ:毛ガニ選びで押さえるべきポイント

まとめると、美味しい毛ガニを選ぶポイントは次の3つです。

水揚げの多い時期はオホーツクの春(3〜4月)

この時期の毛ガニは身入りが特に良いです

必ず「堅ガニ」を選びましょう

脱皮から時間が経ち、身がしっかり詰まった状態のカニが最高です

食べる日程が決まっているなら「ボイル冷凍」がおすすめ

プロの急速凍結をした毛ガニなら旬の味を楽しめます

北海道の毛ガニは、厳しい資源管理の下で漁獲されています。その貴重な毛ガニを最高の状態で味わうためにも、この記事の知識をぜひ活用してください。

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