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プチプチの食感、とろける味わいが人気の「いくら」。同じくごはんのお共として定番の「筋子(すじこ)」。見た目の似ているそれぞれの違い、答えられますか?
ここでは、
下の画像は「いくらと筋子」です。どちらが筋子かわかりますか?
正解は「上」。筋子は卵巣膜に入っている、つながっている状態のサケ・マスの卵です。お腹から取り出したばかりの状態は「生筋子」と言います。筋子の加工品は「塩筋子」、つまり「塩漬け」が一般的です。塩漬けのようなコクはないものの、「醤油漬け」「味噌漬け」なども食べやすい味付けで人気があります。
一方の「いくら」は筋子から卵巣膜を外して、バラバラになった状態を指します。秋鮭の卵をほぐしたものが主流です。
「いくらの購入」には必ず知っておきたい知識!ベテラン社員が比較画像と実食を交えて解説します。この記事を読むと「いくら 基礎知識」に加えて、「秋鮭いくら」と「鱒いくら」の違いについてもわかります。
いくらの加工品は醤油漬が90%以上を占めており、他にはいくら通が好む塩漬け(塩いくら)、生のまま凍結したいくら(生冷いくら)があります。
種類 | 数量(単位:トン) | 割合 |
---|---|---|
いくら醤油漬 | 1,560 | 91% |
塩いくら | 100 | 6% |
生冷いくら | 50 | 3% |
合計 | 1,710 |
(2019:北海道ぎょれん累計)
とても難しい質問です・・・。正直なところケースバイケース。一般的には「いくらの方が高い」と見られがちです。しかし、秋鮭いくらとマス筋子(マスコ)・紅鮭筋子(ベニコ)などが一緒の売り場に並ぶこともあるのです。原料の魚が違うのに、価格を比較するのはムリがあります。
この質問をメーカーさんに聞いてみました。お話を伺ったのは北海道浦河町の三協水産株式会社、小西部長です。当店では三協水産の「いくら醤油漬」「塩いくら」「秋鮭塩筋子」を販売しております。
筆者: 秋鮭卵の「いくら醤油漬」「塩いくら」「塩筋子」の値段設定を教えてください?
メーカー: 弊社はすべて同じにしています。たぶん珍しいですよね?
筆者: 「塩いくら」「塩筋子」を高く設定するメーカーが多いと思います。
メーカー: それぞれの考えがあると思います。たしかに「塩いくら」「塩筋子」は高い技術が必要です。中でも筋子は時間もかかります。弊社は塩筋子の生産量が少ないので、最近では価格を横並びにしました。
※画像は三協水産の船「漁吉丸」
筆者: 「塩筋子」は熟成工程が必要ですものね。一般的には熟成期間は1週間前後でしょうか?
メーカー: 弊社の具体的な日数は教えられないです。原料によっても違ってきます。検食しながら塩カドが取れて、まろやかさが出たタイミングで完成となります。
筆者: 作っているのは職人さんですか?
メーカー: そうです。高い技術を持っている方で、何十年もお願いしています。
筆者: 職人さんがいなければムリですか?
メーカー: 漬込み時間のわずかな差で、味が変わります。原料の目利きも重要なので、職人なしで同じ味は出せないと思います。
筆者: 筋子は「未成熟卵だ」という人もいますけど?
メーカー: 何をもって成熟かという基準もそれぞれですけど、秋鮭卵の場合は成熟卵である必要がありますね。弊社は銀毛※の卵を使います。
筆者: 作る時期はいつ頃ですか?
メーカー: 年によって違いますが、大体9月後半~11月20日までですね。毎年、予定している生産数によっても変わってきます。
筆者: 後半は卵が固くなりませんか?
メーカー: ブナ※毛だと固くなりますね。銀毛※は11月でも大丈夫です。時期も重要ですけど、卵の色や皮質が重要になってきます。
※銀毛:産卵の遡上前、体表が銀白色を帯びる秋鮭のこと。脂のり・味もよいとされます。
※ブナ毛:産卵が近い秋鮭。婚姻色を帯びて体色が濃くなっています。身色も白っぽい。脂質は少なくなります。
「いくら」を美味しく食べるには「旬」の知識が重要です。ベテラン社員が解説するこれさえ知っておけば間違いない「いくら 選び方」!水揚げ量1位の北海道を中心に、有名産地ごとの美味しい時期、失敗しない購入方法をご紹介します。
筆者: どのような卵がよいと考えますか?
メーカー: 鮮度が重要と考えています。あとは色。色味が赤すぎる、黒すぎるのはダメで、きれいなオレンジ色の卵を使います。
筆者: 人によっては粒の大きさを気にしますよね?
メーカー: 好みもあると思います。弊社は銀毛の卵がもつコクを重視します。ブナ毛の粒は大きいですが、旨味は少ない気がしますね。
筆者: 勉強になります!
卵がつながっているかを見れば一目瞭然です!お話の最後に、メーカーオススメの食べ方を聞いてみました。
メーカー: やはり温かいごはんにのせてが最高だと思います。酒肴という人もいますけど、産地でも「いくら」「筋子」はごはんのお供ですね。
筆者: 三協水産(株) 小西部長、ありがとうございました。
取材に協力していただいた三協水産株式会社はブランド鮭「銀聖」が有名なメーカー銀聖は銀毛の中から選別される特別な秋鮭。
銀聖のいくら醤油漬を入れたセットは贈答としても高評価を得ています。
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