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北海道の漁業Q&A


北海道には、何人ぐらい漁師さんがいるのですか?

平成16年の調査では、北海道には約2万9千人の漁師さんがいます。
全国では23万1千人ですから、漁師さんの約12.6%が北海道ということになります。しかし、漁師さんの数は昭和59年以降減少し、平成16年には昭和55年から比べ、約6割に減少しています。
年輩者の割合も高まり、男の漁師さんの32%が60歳以上になっています。

北海道では、どんな魚が獲れるのですか?

北海道の海で水揚げ量の多い水産物は、1位ほたて貝、2位さけ、3位すけとうだら、4位ほっけ、5位さんま、6位こんぶ。
これらはすべて、日本の中でも北海道が最も多く漁獲している魚です。
平成17年に北海道の漁師さんが漁獲した水産物は、141万トンです。全国の海で漁獲された水産物が562万トンですから、日本の海で漁獲される水産物のうち約25%(4分の1)を占めています。

北海道の魚


北海道ではどんな漁業が盛んですか?

漁師さんの数では、昆布漁業などの採藻漁業。水揚量では、底引網漁、定置網漁、刺網漁です。
北海道では、一年の中でも季節によって色々な種類の漁業を組みあわせて漁業を行っています。平成13年度の漁業許可数では、こんぶ等を採る採藻漁業がもっとも多く、2位は仕掛けた網に魚をからめてとる刺網漁業、3位は、タモでウニを採るウニ漁業、4位は疑似餌針(餌ににせた針)やカギ、箱でタコを捕まえるタコ漁業、5位が、ホタテやこんぶを育てる養殖漁業です。
しかし、水揚量は漁業許可数とは違い、底曳き網量が最も多く、2位は定置網、3位は養殖漁業、4は刺網漁、5位はサンマなどを獲る敷網漁となっています。

漁風景

(▲写真左より時計回りに・・・ホタテ養殖漁・タコ漁・サケ定置漁・ホタテ地まき漁・サンマ漁・コンブ漁(採藻))


北海道は、寒いのになぜ魚がいっぱいとれて、美味しいの?

北海道の海は冷たいのに、たくさん美味しい魚が獲れるのは、「栄養のある食べ物があり」、「厳しい海を泳いでいる」からです。

海にいる魚は海中にいる動物プランクトンを食べ、動物プランクトンは植物プランクトンを食べています。そして植物プランクトンは、海の栄養分と太陽の光で成長しています。北海道周辺の冷たい海には南の海に比べ、栄養分がいっぱい含まれています。このため南の海に比べ、北の海には植物プランクトンがよく育ち、魚の餌になる動物プランクトンもたくさん育ちます。南の海が青く透き通っているのに、北海道の海は色が濃く、あまり透き通っていないのは、海の中にたくさんのプランクトンがいるためです。

その上、日本の太平洋側は世界の3大漁場と呼ばれ、世界の中でもおいしい魚がたくさん獲れる場所と言われています。

ここでは北から流れる寒流と南から流れる暖流がぶつかり、海底から栄養分をたくさん含んだ海水が海面近くまで上昇してきます。このような場所は「潮目(しおめ)」と呼ばれ、プランクトンがたくさん育つだけではなく、北の魚と南の魚が海流に乗って集まってきます。集まってきた魚はプランクトンや、プランクトンを食べる小さな魚をたくさん食べて、おいしい魚に成長します。

北の海は波が荒く、海流も速いため、集まってきた魚は、一生懸命泳がなければなりません。このため、毎日トレーニングしているスポーツ選手のように北海道で獲れる魚は体が引き締まっています。

このように冷たく厳しい海のおかげで、北海道では「脂の乗って、身のしまった」おいしい魚をたくさん獲ることができます。

北海道は冬になると氷点下30度にもなると聞きました。海のお魚は凍ったりしないんですか?

海の中は、意外と暖かく、魚はしっかりと生きています。
北海道の冬は-10℃以下にも冷え込みますが、凍るのは一部の海の表面だけです。

海の中は意外と暖かく、氷点下にはなりません。
魚も凍らずにしっかり生きていますよ。

この寒い気候を利用し、根室地方の主に風蓮湖(ふうれんこ)という汽水湖(海岸にあって、海水と淡水の混合した水からなる湖)では、寒さで湖の表面が凍ると氷に穴をあけて、その下に網を仕掛ける漁法もあります。これを氷下待ち網漁(こおりしたまちあみりょう)といいます。

この時には、船のかわりにスノーモービルで漁に出かけるんですよ。

何日も漁に出られない時があると聞きましたが、その間は何をしているんですか?

漁に出られない時間を利用して、漁協の仕事や勉強をしています。

漁師の人たちは、海に出て魚を獲る他にも、たくさんの仕事があります。魚を獲るための道具の用意や修理があります。

その上、「とってきた魚の鮮度を保ちながら、皆さんのところまで届けるためにはどうするか」「自分達の海で資源を守るためには、獲っても良い量はどのくらいか」などを漁師の人たちが集まって相談して決めています。

また、海が荒れやすい季節や、流氷で海が氷に覆われる時期を利用して、自分達の獲った魚が売られている市場や、海外にも出かけて勉強しています。

魚市場では、売れ残った魚はどうするのですか?

市場で売れ残らないように、「鮮魚」「加工用の原料」などに振り分けて販売しています。
漁師さんの獲った魚は「産地の魚市場」に出荷されますが、北海道では一度にたくさんの魚が獲れることがあるため、どうしても売れ残ってしまうことがあります。これでは、漁師さんが一生懸命獲った魚も無駄になってしまいます。このため、売れる量だけを市場に出荷して、残りの魚は市場に出荷せず、「加工用の原料」等として販売が行われています。

例えば皆さんが知っている「ホッケ」は、季節によって大漁に水揚げされますが、鮮魚(スーパーなどで売っている新鮮な生の魚)として市場で売れる量は決まっています。このため、一定の量は市場に出荷されますが、 残りは「ホッケの開き」や「ホッケのすり身」「養殖用の魚の餌」などとして産地で冷凍・加工されています。こうして冷凍・加工したホッケは、計画的に販売され、産地でホッケが売れ残らないようにしています。この役割を漁協・ぎょれんと産地の加工業者が協力して行っています。

ただし、市場には色々な魚が出荷されるため、魚によっては鮮度が落ちたもの、傷ついたもの、小さくて食用に向かない魚もあります。
このような魚は、専門の業者が引き取り、養殖魚や動物の餌などの原料として利用されています。北海道の登別という町には有名な「熊牧場」があります。ここでは秋から冬にかけては、登別の近くの漁協で水揚げされた産卵の終わった秋鮭を熊の餌として与えています。川に上り産卵を終えた秋鮭は、商品価値がないのですが、無駄にせず、有効に利用されています。

船の名前には「丸」という字がつきますよね。「丸」にはどんな意味があるのですか?

船名に「○○丸」と名付ける由来には、自分を意味する「麻呂説」、トイレを意味する「おまる説」など色々な説があるようです。
最も有名なのが『自分を意味する「麻呂」が転じて、「まる」となり、自分の財産や持ち物にも「○○丸」とつけるようになった』という説です。

「麻呂」という言葉は、平安時代には、「柿本人麻呂」のように名前の一部として使われ、平安以降も自分という意味で使われていました。時代劇では、よく貴族の言葉に「麻呂は、・・・でごじゃる。」という表現がありますね。鎌倉時代には、「麻呂」が「丸」に転じ、自分の持ち物にも、「○○丸」と使われるようになり、船も「丸をつけた名称」で呼ばれるようになったと言われています。

子供のトイレを「おまる」といいますが、「おしっこ・うんこ」のように汚れたものには、悪霊も寄り付かないと思われたため、大切な子供や船にあえて「まる」の字をつけたという説もあります。
船には「女神が宿る」という信仰があり、北海道の漁師さんは、今も毎年1月に「船霊(ふなだま)」を奉り、豊漁・安全の祈願を行っています。「昔は、船に女性は乗らせてもらえなかった」と言われますが、「女性を乗せると船霊がやきもちを焼き、海難や不漁を招く」と信じられていたようです。ですから、意外と「おまる」説が正しいのかもしれませんね。

船舶法には「船舶ノ名称ニハ成ルベク其ノ末尾ニ丸ノ字ヲ附セシムベシ」とあり、国土交通省では運輸省時代に、「船名はできるだけ、『○○丸』とするように」という指導を、船の所有者にもしていたそうです。

今はこのような指導もなくなり、自由に名前が付けられるようになっています。

ただ、同じ船でも、軍艦には「武蔵」「大和」のように、昔の船の名前でも丸はついていませんし、フェリーでは「らべんだあ」「すずらん」「らいらっく」等、丸のつかない名前が一般的です。

漁船の場合は法律が変わった今も「丸」をつけた船名が多く、北海道ぎょれんの輸送船にも「ぎょれん丸」としっかり「丸」がついています。

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